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最高裁判所第一小法廷 昭和58年(オ)1363号 判決 1984年4月05日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由第一項について

所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

同第二項について

借地法七条により建物所有を目的とする地上権の存続期間が延長された場合、右期間延長の効力が生ずる前と後とで地上権の同一性が失われるものと解することはできないから、期間延長の効力の生ずる前に右地上権についてされた登記は、期間延長の効力が生じた後の地上権についてもこれを表示するものとして、効力を有するものと解すべきである。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、独自の見解であつて、採用することができない。

同第三項について

所論の点について原審が認定した事実は、被上告人の主張事実と異なつたものとはいえないから、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。

(裁判長裁判官 藤崎萬里 裁判官 谷口正孝 裁判官 和田誠一 裁判官 角田禮次郎 裁判官 矢口洪一)

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